黒 澤公人の図書館に思う 言葉の導く世界へ

「一次情報ダイレクトアクセス」時代、「検索即閲覧」時代のドキュメンテーションシステムのあり方を考える。
シリーズ 図書館に思う こと ばの導く世界へ

ことば、この不思議なもの。ことばは、ものや概念に付けられた名前。そして、それは、ひとりひとりの個人の内で、つなぎ合わ されて、構築さ れ、紡みだされてくるもの。

人類の歴史を越えて、一人の内なる、ことばのつらなりが、文字になり、書に現され、読まれる。

偉大な思想も、哲学も、科学の知識も、文学も。

人類の叡知が、書の形で伝えられる。

2000年前の出来事が、歴史と国々を越えて。

2600年前のお経に出会うために、ヒマラヤを越え、海を越えて、伝えられた。

書に出会うために、その人生の全てをかける。

その書を残すために、板を刻む。活字を作り、写植を行い、コンピュータになった。

多くの映像が伝えられる時代になってなお、文字やことばが、人と人をつなぐ。

沢山の文字の形が生まれ、新しい概念に対する言葉がうまれ、人と人をつなぐ。

人間の内なる世界を写す、レンズのように。

そして、あなたをいままで、知らなかった世界へ導く。でも、あなたは、導かれても、他の人を同じように導くとは限らない。

そこには、人生を変える力もある。不思議なもの。

人類の歴史を伝える番人、図書館。

歴史の中で、文明を断ち切るために、書を消し去ろうとする時もありました。

一つの書が、人類のあり方を変えたものもあります。

ことば。一人の人を越えて、内なる世界を伝えるもの。不思議な魔法の力をもつもの。

私の中に沸き上がる 言葉、書 のイメージを、ことばで伝えようとする このこと。うまく、つたわるのでしょうか。それと も、これは、私の内 で、終わることなのでしょうか。

(by kimito 1/14/2000)