シリーズ 図書館に思う。 (2/9/2000)
大学考古学 大学憲法の行方を追え!
なぜ、こんなタイトルを付けてみたのかというと、過去、多くの大学が、独自の大学憲法があったら しいことを知った からだ。ICUには、創立にあたり、国際基督教大学憲法というのが、制定されていた。他の大学にも、創立時にそのような憲法が あったらしい。そして、現 在、学校法人としての存在を規定する法人の設立目的として、寄付行為という項目が、現在の形になっている。その意味で、憲法は、 寄付行為に変わっていると いっても、いいのだが。しかし、寄付行為という言葉と、憲法という言葉は、インパクトも、雰囲気も違うのではないかと思う。
実は、大学憲法というものが、過去にたくさん存在し、現在の法律の中で、消滅していったとした
ら、残念ではないか と思う。
独立法人化、大学改革、少子高齢化など、たくさんのことを言われ、大学は、自己点検など、
たくさんのことをやらなければならない。
しかし、できれば、各大学が、大学憲法を制定することができれば、かなり、違った雰囲気になるのでは
ないか。(憲章というものを掲げている大学もある。)
学長や理事の任期など、多くの問題もあり、その時の判断で、大学憲法を定めるのは、本当の難しいと思う。
しかし、多くの大学に、大学憲法が存在していたに違いないのである。それを、復活させるのは、
良いことではないか。同時に、日本のあり方や憲法を考えるよい機会になるかもしれない。
成人になるまでに、自分の憲法を、学生時代につくることができるのなら、人生は本当にかわるかもしれない。
そんなことを考えて、多くの大学が制定した、大学憲法を探してみたいですね。
国際基督教大学憲法
ICUの創立期(1950)年にICU憲法が成立しているのを偶然知った。
(国際基督教大学通信(昭和26年3月1日号))
現在、ICU憲法というは存在しない。大学の設置目的を述べた寄付行為にそれは変わっている。
ICUだけが、こんな憲法を作ったのだろうか。
私も、憲法などというものを制定したのは、ICUぐらいだろうと思っていたら、東京女子大学の大学史に、大学憲法の存在が期して あった。東京女子大 学にも大学憲法はあったのだ。
現在、大学憲法をいうのは、ほとんど聞かない。けれども、その痕跡は、どこかにあるにちがいない。
そこで、いくつか、大学史を探してみました。
大学憲法
名称 | 発布 | その後 | 出典 | |
国際基督教大学憲法 | 1950年 | 寄付行為に変化 | 国際基督教大学通信(1951) | |
東京女子大学憲法 | 寄付行為に変化 | 東京女子大学史より | ||
明治学院憲法 | 明治24年 | 明治学院90年史に全文掲載 | ||
慶応義塾仮憲法 | 明治14年 | 百年史に全文掲載 | ||
金城女学校憲法 | 1904年(M37) | 金城学院百年史英文 | ||
関西学院 | 1892年 | 寄付行為に変化 | 関西学院j事典P62 ... 憲法の項 | |
時々、書架で、大学史を覗いてみる。数十年、100年の重さがそこには、書かれている。火事や大きな地震や第二次世界大戦など、幾
多の苦難の歴史
が、そこには、書かれている。どんな苦難があろうとも、明日の日本を創ろうと必死で、生き抜いてきたチャレンジャー達の歴史が刻まれ
ていた。
一人の努力が、多くの人に教育を与え、日本を、世界を作り上げる原動力になった。
それは、教育ビックバンというべき、教育への爆発であったかもしれない。