シリーズ 黒澤公人の面白図書館学 漢字は大敵 (書名の楽しみ されど)
面白図書館学 漢字は大敵
日本語をどのように確定するかは、難しいですね。日本語は、どこをベースに考えたらいいんだろう。
学校教育とコンピュータ化で、漢字の利用の基準が制定されたのは、画期的なことかもしれませんが、
日本で、国として公になっている漢字セットがいくつかあります。
漢字セットの種類 その他、人名漢字というものもあります。
最初制定年 | 最終更新年 | ||||
教育漢字 | 1006字 | 小学校で覚える漢字 | 1858年 | 1989年 | |
当用漢字 | 1850字 | 新聞、マスコミ等で用いる漢字 | 1946年 | 1946年 | |
常用漢字 | 1945字 | 当用漢字表の改定 | 1981年 | ||
JIS第1,2水準 | 6879字 | JIS X 0208-1990 | |||
JIS補助漢字 | 5801字 | JIS X 0212-1990 | |||
Unicode | 34168字 | 世界各国の文字 | 1995年 | JIS X 0221-1995 |
漢字の読みとは、いったい、なんだろうか。
日本 を どう読むのか。この一点すら、漢字の問題のすべてを表しているともいえるかもしれません。。
じつは、読みに対して、ルールがないように見えますね。
漢と付き合ったので、漢音が、隋と付き合ったので、隋音が。
そして、オランダと付き合ったので、オランダ音が。
アメリカと付き合ったので、アメリカ音が。
各書名にヨミについて、国会図書館NII
がどのように対応しているのか比較してみるのも面白い。
最近 こんな本があるのを、みつけた。
変革リーダーの技術
変革 を チェンジ と著者は読ませたいのだ。
こんなことが許されるべきかどうかは別にして、そう、発想させてしまう力が漢字にはある。
みんなで、使えば、漢字の読みとして定着することもありうるのだろうか。
そのような言葉の世界で、情報を管理するのは、難しい。
書名の楽しみ (本を作成する人はいろいろ考えている。日本語ゆえの
楽しみかたもあるが、
コンピュータ、図書館泣かせでもある。)
こ
れならブタでも作れる俳句入門 問題は、ブタに「だれ」 という読みをつけていること。
野ブタ。をプロデュース この句読点なんでしょうか。 この ブタのあとの○が問題といえば問題のような。。
気にすることがないといえばないような。。
19×19
トクトク―日本人のアタマをもっとよくする2桁かけ算
まぁ。ことば遊びかな。それと、数学的要素をかけたという感じかな。
別読みのジュウクをつけるかどうかが、問題だが、つけようもないという感じですかね。
五
月蠅い五月晴れ―人生という名の喜劇を生きて
読めないわけでもない、普通の書名だが、この5月を2回繰り返して、全然違う読みを当てはめているの
が、
面白い。日本語を思い切り楽しんでいるね という感じ。
わ
たしが京都を好きな理由 この書名は一見不思議はないようにみえるが、図書をみる
と、なにが正しい書名のなのか、
わからなくなる。
表紙をみると、「わたしが京都を棄てた理由」のようにみえるが。。。
社
会力が危ない! この図書のヨミは、かなり問題だ。常識的ではない。もし、小学校、
中学校で、このヨミをつけたら、
丸をする先生はいないだろう。
この意外なヨミを、誰に相談することもなくつけることが可能な言語が日本語というべきなのであろ
うか?
それが、社会力なのだと、著者は言いたいのかもしれない。
贋作 天保六花撰(うそばっかり えどのはなし)
いったい、どうすればいいのだろうか。 国会図書館はどのような
ヨミをつけたが考えてみてください。
ウ
ソ力の鍛え方 これも、どうしたものか。よくわかりません。 うそ力 のほかに 小さ
な字で 想像力と書いてあります が、いったい、なにがタイトルなんでしょうか。 悩ましい書名の一つでしょうね。
国会図書館のOPACもみてくださいね。
小説ジヤンヌ・ダルク裁判
現在の作品なのだが、文章スタイルが、旧かな使いで書かれている。 (個人的には非常に興味深い本でしたが)奥付をみると 小
説に ”せうせつ” の読みがふって
あるのをみつけて、目録の読みは、やはり”ショウセツ”ですよね。ヨミをさりげなくつけていくところが著者のこだわりかもしれませ
ん。なかなか意欲的な作品だと思うが、旧カナ使いなのでベストセラーにはならないでしょうね。
世界一難しい漢字(もじ)を使う日本人
たしかにそうなのかもしれません。
漢字を”もじ”と読ませているところがどうなんだろうかと思うところです。
よ
ろづ春夏冬中 長野 まゆみ (著) ヨロズ
アキナイチュウ と国会図書館目録のヨミは、こうなる。そう読むように、いろいろ表紙もかいているのだが、一見、なんと読むわからないし、クイズではいろ
いろあるが、春夏冬で、アキナイ の読みは、通常ない。
東京騎士王国(TOKYOナイトキングダム)
ちょっと悩むのは、東京の部分だろう。著者は、東京に対して, TOKYO と読みをつけているので、目録上 TOKYO
と するか トウキョウ とすべきか。
他のデータをみると ナイトキングダム のヨミしかつけていないものもあるので、その辺、著者も曖昧にしているかもしれない。
月
読 Honkaku mystery masters
これをどう読むかは、ちょっと気になってしらべたら、
”つくよみ”と読むようであるが、問題は、つぎの、” Honkaku mystery masters"
このローマ字と英語の混在が、あたりまえのように共存している”日本語(?)”のユニークさに着目したい。このような例は山ほどある
が、通常は 名詞同士 の組み合わせ ”Kappa books” だが、”本格”といった例は、珍しいかも知れない。
見える化 ~強い企業をつくる「見える」仕組み~
見える化 新しい語法でしょうか (実に日本語の楽しみです。)
と
/to 小泉誠著 さあ。なんと読む 最初の と は問題ないが 次の to
は、どうする。
トト と読みがふられているが、本と読んでみると どうも、違う可能性もある。 to
は、ローマ字か、英語か で 判断がわかれるところ。
出版社が TOTO出版なので、トトとも、よみたくなる。きっと、著者も楽しんでいるにちがいない。
回し読みする図書なので、読んでみるといつのまにか、図書を回しながら読んでいることなる。
ア
マゾる、グ
グる、ヤ
フる なんていう日本語も最近登場。
大
人問題 : おとなは・が・のもんだい
表紙中央に3つのカナ読みが書かれている。 おとな(は)、(が)、(の)もんだい。
さて、どう、目録取るべきかな。 悩みますね。
絶対読めない書名なんていうのは、ないんでしょうか?
奇妙なカナの本
ワカ゜ミのことば辞典 / 中島桂三著 ; ピーセクション坂本善昭事務所編集
ワガミのことを、「カ」「゜」の
組み合わせ で表現している。
もちろん、そのようなカナ表記はないのだが
国会図書館では、「ワガミ
のことば辞典」
NII では、「ワカ゜ミ
のことば辞典」
では、翻訳から。
へんなタイトルだと思ったら、原題が、Idea
have Legs でした。
かなり、長い書名(もしかすると、最長かも)
平田オリザ著
新版・十六歳のオリザの未だかつてためしのない勇気が到達した最後の点
と、到達しえた極限とを明らかにして、上々の首尾にいたった世界一周自転車旅行の冒険をしるす本
文字のないアイヌのための聖書
たぶん、この聖書に書かれている通りに発音すると、アイヌ語として聞こえる聖書ではないか。
つまり、アイヌの人が読むのではなく、アイヌの人に聞かせる聖書なのではないか。
裏表紙より
「このアイヌ語新訳聖書は、ジョン・バチェラー(1854-1945)により翻訳され、
横浜で、1896年に出版さた。今回の出版は日本聖書協会の聖書図書館の所蔵本を
複製したものである。」
ISBN 4-8202-3008-X
アイヌ語新訳聖書 NEW TESTAMENT in AINU
japan Bible Society, Tokyo 1981
ア イヌ語新訳聖書 1897年
以下、調査中。