シリーズ 黒澤公人の面白図書館学 日本語ローマ字の悲劇
面白図書館学 日本語ローマ字の悲劇 (コンピュータ上で長音記号
が表わせないとい う現実)
ローマ字を、日本の義務教育の中で、どのように教えているのか、とても気になる。
さて、日本語ローマ字の悲しい現実を、だれも、対応してこなかったのをどう考えるべきなのであろう。
コンピュータ全盛期になっても、東京とローマ字で表記することができない。
なぜなら、長音記号を、コンピュータ上(JISの定める範囲で)でどのように表記するのか決めることができなかった。
このとんでもない、欠陥によって、ローマ字はますます大混乱した。
東京は,決して、TOKYO ではなく、TOUKYOU でもなく、TOHKYOH でもない。
コンピュータを使ってどのように表わせばよいのか?
T^oky^o コンピュータでUnicode が使えるようになって、ラテン拡張 A からとってくることが
できるようになったが、このホームページでは、表示できない。
タイプライターには、2重打ちという技あったのだが。
表わせないのだ。この悲しい出来事を、ずーっと、放置したのは、だれの責任であろうか。
ローマ字と英語のごちゃまぜ表示の山。
日本語ローマ字の悲しさがある。
ローマ字を、日本語の音として表記しようとした、ヘボン式。
ローマ字を、日本語の文字(かな、カナ)の代用と考えた 訓令式
日本語を、アルファベット26文字だけでは、ローマ字表記ができないのに、コンピュータでは、それ以外の文字表記が難しい。
日本で、コンピュータを活用しようとした歴史を振り返るならば、アルファベット、カタカナ で構成する時代もあった。しかも、そのた
めには、アルファベッ
ト小文字を捨てるという、荒業で、スタートした歴史を考えるならば、ローマ字長音記号が入り込む、余地など無いのは、当然である。
しかし、そのまま、打ち忘れ去られてしまったのだろうか?
しかし、このような状況にあって、なぜ、ローマ字のことをうだうだ言うのかというと、海外の図書館(アメリカ議会図書館をはじめ、多
くの図書館)の日本語
目録をみると、きちんと、ヘボン式で、同時に、長音記号のきちんと、処理しているのである。日本人がみると、おかしいくらいにくそま
じめにである。
そして、国会図書館のOPACをはじめ、日本の図書館システムから、ローマ字は消え去ってしまったのである。今日ほど、国境を越え
て、学術情報が自由に飛
び交う時代になって、ますます、共通事項としてのローマ字は、その必要度をますます高めているにも関わらず、日本では、確定したロー
マ字もなく、表記も合 いままのまま、混乱しているのである。
きっと、図書館の世界において、ヘボン式が、世界の共通ルールになるのは、まちがいない。現に、共通ルールである。ただ、日本が、混
乱しているだけなので ある。それを、グローバルスタンダードに負けたといっても、所詮、はかないことだ。
LC
の目録から 坊っちゃん、夏目漱石、東京 がどのように表わされているのかを見よう。(長音記号は、コンピュータの日本語環境で
は文字化けとなります が、海外モードで見ると長音になるはずですね。)
Botchan / Natsume S?oseki.
LC Control Number: 88800429
Type of Material: Book (Print, Microform, Electronic, etc.)
Personal Name: Natsume, S?oseki, 1867-1916.
Main Title: Botchan / Natsume S?oseki.
Published/Created: T?oky?o : Suzu Shob?o, Sh?owa 23 [1948]
Description: 158 p. ; 19 cm.
LC Classification: MLCSJ 88/00245 (P)
Other System No.: (CStRLIN)DCLP88-B12348
CALL NUMBER: MLCSJ 88/00245 (P)
ヘボン式では 坊っちゃんは、BOTCHAN になります。
? マークのところが、長音符号のためのコードが入る。