黒澤公人のProject L  Web of Science


第10回   Web of Science 参照文献データベース

図書館短期大学の1年生の夏休み。(短大なので夏休みは2回しかないが) ドキュメンテーションという授業で、参照文献の頻度分析をするようにという宿題が出た。

なぜ、そのような分析をするかというと、その分野の論文の参照文献を分析すると、多くの論文に引用されている雑誌名が、出てき て、そ の引用数の多い雑誌 が、その分野で、中心的な役割を担っているコアジャーナルとなる。 そのコアジャーナルを見つけるために、論文の引用文献を一つ一つ、カードに書き出してカウントした。 当時(1974年)当時は、まだ、パソコンなんてものもなく、数百枚のカードをつくり、頻度分析を行った。 さて、そんな授業思い出させてくれるデータベースが存在する。Web of Science まるで、ドキュメンテーション授業のそのまま、地でいくようなデータベースである。 通常、雑誌記事索引では、1論文1タイトルデータであるのだが、引用文献データベースでは、1論文数十から数百のデータを作成チェッ クしなければ、ならな い。

  しかも、参照文献リストは、簡略化されて記載するし、ミスも多い、やっかいなものである。 それを、きちんとしたデータベースにしようと思った人は、どんでもない”やつ”に違いない. こう書きながら、なんとなく、その創立者の顔が浮かびそうな気がしてくる。 屁理屈をのべる、理論屋さんで、言い出したら、人の言うことを聞かない. そのくせ、地道で、一発勝負などする気のない、くそまじめな、がんこな図書館員 という感じかな。

  きっと、このようなデータベースがあれば、非常に便利に違いないと誰もが思いながら、それを作成するのがどんなに大変かと、みんな が、決してやろうとしな かった、そんなデータベースである。 そのデータベースを作成して、販売しているすごさは、いったい、なんなのだろう。

おまえは、いったい、何者なのだ. ”ドキュメンテーションの鬼” か?

あまりの量の多さと、価格の高さに、ちょっと、普通では、手が出せないが、 このデータベースが存在し、データが維持されていることは、”すごい”  の一言。