黒澤公人の21世紀の図書館学 大学図書館情報学の構築に向けて

黒 澤公人の21世紀の図書館学 大学図書館情報学の構築に向けて

「一次情報ダイレクトアクセス」時代、「検索即閲覧」時代のドキュメンテーションシステムのあり方を考える。
2060 年の大学図書館情報学の構築に向けて

    1960年代 IBM360登場。 LCやOCLCがシステム開発(IBMのマシンが使われたという
            わけではありませんが)
    1970年代 大学にコンピュータが普及(ただし、まだ、英字、カナのみ)
    1980年代 ようやく漢字が利用可能に。
    1990年代 インターネットの活用、Webの登場
    2000年代 多言語化、電子ジャーナルの登場
    2010年代 ディスカバリー、クラウド型図書館システム
            E-Book、電子書籍
            大規模電子図書館(HathiTrust)
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    2020年代 (予想)
           電子図書館時代
           個人がタブレット内に50万冊規模の電子図書館を持ち運べる時代になる。
           (個人が必要とする資料は、このタブレット、もしくは、クラウド上の個人の
            ためのライブラリに管理するようになり、あまり、紙資料は扱わなくなる。)
           おそらく、学習者、研究者は、数台のタブレットを、同時使いこなす形で
           学習、研究を進めることになる。
           (このころ、現在のキーボードという概念が大きく変わる可能性も大きい)

           冊子体の図書館はそのまま残る。
           (しかし、紙の図書を維持管理するには、膨大な費用がかかるので、
            紙の図書の使用はかなり制限される。不要図書の廃棄、重複図書の
            廃棄され、紙の図書の使用はかなり限定的になる。)

           紙による出版はかなり残るが、図書館での購入は非常に少なくなる。
           (現在の外国雑誌と同様の感じとなり、雑誌は購読しているが、紙の雑誌は
            ない)
           電子図書館と電子ブック書店の境界が、曖昧になる。
             電子書籍利用者は、利用制限付き(2週間で、データ消去。)
             電子書籍購入者は、永久利用
             図書館利用者は、電子書籍上で、注文を出す。数分後には、購読開始可能
           
           出版と図書館の共存を維持するため、新刊本等の利用にあたっては、課金など
           の対策が必要になる。
           この時の電子図書館は、2000万冊から5000万冊程度の規模で運用される。
           これは、Google、Amazonのような会社が運営し、図書館は年間使用料を
           支払う形式で運用される。(この電子図書館が著作権管理等も行う。)
           この電子図書館は、電子ブック書店だが、図書館向けサービスに特化してい
             る。
           この電子図書館には、販売を目的としない研究所、学会等も盛んに図書、雑誌
           を登録する、プラットホームのような役割をもつ。
           図書館が所蔵するユニーク図書を登録する。
           
           紙資料の現象に伴って、目録データベースの役割は減少する。
           図書館システムも非常に限定的になる。

            
         2030年代(予想)
          紙資料は、非常に限定的になり、実際の学問領域は、電子資料中心となる。
          経済活動しての本(紙媒体は存在するが、現在の10分の1程度になる。)
          図書を収納管理する大学図書館は、ほとんどなくなる。
          多くの図書が不要として廃棄される。
          大学図書館に残る図書は、数万冊から数十万冊程度が維持管理される
          大規模図書館は、紙媒体の集中保管、保存書庫に利用されるが、通常の
          図書の貸出閲覧は、基本的にしない。

         ほとんどは、電子図書館(民間の運営、もしくは、大学向けに文科省が運営する
         大規模図書館を利用する。(3000万冊から1億冊規模)
         
    2040年代(予想)

    2050年代(予想)
    
    2060年代(予想) コンピュータ(IBM360)が登場してから、100年目を祝うが、
                 IBMという会社がどのようになっているのかは、不明。

                 ある面、ライト兄弟の飛行機とジャンボジェットを比べるような
                 ものかもしれない。

                 コンピュータがどのように進化しているのか、予測がつかないが
                 情報を共有して、なにかを創出するシステムが登場する。