黒澤公人の面白図書館学  新聞縦書きの悲劇

「一次情報ダイレクトアクセス」時代、「検索即閲覧」時代のドキュメンテーションシステムのあり方を考える。


シリーズ 黒澤公人の面白図書館学 新聞縦書きの悲劇
 マスコミは英語を使えない


日本語の文章は、縦書きが多い。以前は、縦書きのみであったが、英語などの文章に接するようになり、横書きもおおくなった。
日本の新聞はほとんど縦書きである。

新聞の印刷は、以前は、活字で組まれ、その後、写植へ、コンピュータ編集へ。
日本では、新聞の編集システムは、1975年には、登場した。

1975年には、新聞編集システムが登場しているようだ。(日経新聞の例)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/itej1954/29/5/29_5_379/_pdf


現在の新聞が、縦書きであることは、この1970年代に新聞編集システムが登場し、それが発展して、されてきた。1970年代のコン ピュータでそれが実現できたことは、驚くことだ。


日本のワープロソフトもすごいことだ。西洋生まれのコンピュータは、アルファベット世界に登場し、アルファベットの世界で、発達して きたが、日本語を利用できるように発展し、アルファベット世界にない、縦書きを実用化してしまった。

現在、Wordも縦書きができるようになったが、その機能を、独自に生み出したというより、日本語ワープロが縦書きを実現している とのみて、Wordも実現したにすぎない。日本語を知らない人からみれば、ワープロになぜ、縦書きが必要なのか、理解に苦しんだに違 ない。日本人のだれかが、日本で、Wordを普及させたいのなら、絶対縦書き機能が必要だと言い張ったに違ない。

漢字をつかう中国、かつて、漢字をたくさん使っていた韓国、北朝鮮でも、現在、縦書きの文章をみる機会がほとんどない。新聞も横書 きだ。

縦書きという文化は、現在、絶滅寸前で、日本と台湾あたりに残っている程度だ。

日本の大手新聞が、縦書きを維持していることによって、海外の固有名詞などを、新聞上で表現するためには、カタカナにどんどん変換 する必要がある。意味のある単語は、日本語の漢字などに置き換えることも可能であるが、人名、地名、会社名などの固有名詞は、カタカ ナに変換する以外にない。なぜなら、新聞縦書きに、アルファベットを組み入れるのは、難しいからだ。

日本人は、ますます、英語などのアルファベットをみることなく、カタカナ語をみることになる。

もし、NHKのニュース原稿に、人名、地名、会社名などが、アルファベットでそのまま書かれていたら、NHKのアナウンサーさえ、 どのように発音していいのか、わからずに、フリーズが、多発してしまうかもしれない。

もし、それが、フリーズせず、まるで、難読漢字のように、スラスラ読めるようになるだけで、日本語の英語環境は劇的に変わるかもし れない。

さて、英語や外国語を、カタカナに変換してしまうことによって、英語や外国語の痕跡を消してしまう。もとの綴りがなんであったかも わからなくしてしまう。


これが、日本人から英語を分断し、綴りやスペルと音を分断し、ローマ字というものを挟んで、言語感覚を破壊してしまう。

まだ、だれも研究していないとおもうが、小さいころに、ひらがなを覚えてしまう子や、ローマ字に興味を示す子、「あいうえお」の発 音を熱心し、早くから、日本語が読めるような子は、英語を理解することができなくなってしまうのではないか。

なぜなら、英語や外国語の綴りから、音を連想することができない感覚になるのではないか。

不思議なことだが、Work をワークと発音し、Walkをウォークと発音することに、心理的抵抗があるのは、なぜだろうかと思う のだ。


縦書きが、英語の綴りを、見せなくし、音を分断しているのではないかとおもう。

ここに、アメリカ大統領 46代の人名を書いてみたいのだが、それは、非常に面倒なので、省略する。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%B4%E4%BB%A3%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7