黒 澤公人の コーヒーブレイク 大学図書館に思う

「一次情報ダイレクトアクセス」時代、「検索即閲覧」時代のドキュメンテーションシステムのあり方を考える。

黒澤公人のコーヒーブレイク   大学図書館に思う



現在の情報環境とはなにかを考える必要があると思う.

コーヒーブレイクの場だから、考えるヒント。



こんな仮説は、どうだろう。


大学4年間を、パソコンがあれば、ノートも筆記用具を持たずに、成績優秀で卒業することは可能か。
もし、筆記用具を必要とする場合は、どんな場合か。(1回の書く量が400文字以上の場合で)


図書の酸性紙の問題。
100年の歴史をもつ、100万冊の図書をもつ大学図書館の蔵書五分の1は、既に、酸性紙で図書が見ることができない。
30年後には、その割合は、2分の1になる。 (酸性紙は、昭和60年ごろまで利用されていた。)


図書が利用されることについて
100年の歴史をもち、100万冊の図書をもち、1万人の学生が、1年間に10万冊の貸出冊数があったとすると、何度の貸し出される 本もあることを考える と、実際、貸し出された図書は3万冊ぐらいで、そのうちの半分は、その年に入った図書と考えると、97万冊は、書架にあったことにな る。
(館内利用という利用もあるが。)

現在、世界最大のレファレンスツールは、フリーの検索エンジン だぁ。
    もはや、百科事典を調べたりしない。


日本に図書館システムは、存在しないのか。
学情が登場して、巨大データベースが誕生したが、しかし、そのことによって、図書館システムの発展を大きく阻害することになった。

巨大データベースが存在すれば、個々の図書館システムは、小さくて、中途半端な、予算しかつけないことになった。そのため、十分検討 された図書館システム を開発することも、検討することもなく、時は過ぎた。
巨大データベースに対応するシステムを作り出したため、本来の図書館システムを、作ることは出来なかった。
1990年以前に先行して、研究をしていたシステムは、1990年以降その存続ため、システム概念を放棄することを余儀なくされた。 それは、図書館システ ムの伝統を断ち切る出来事になった。
しかも、メインフレーム型コンピュータからワークステーション型システムの変更は、その断絶に、二重断絶を生じさせる結果となった。

いま、早急に必要なのは、日本語によるデータベースをどのように構築し、検索するのかという問題に真正面から取り組んだ研究だ。




図書館システムが持つべき要素。
データフォーマットの問題。結局、日本では、この概念が未成熟。
日本語の問題。結局、ルールなき、現状となった。
日本のデータベースからデータをどのように検索するのか という問題が、今尚、手付かずのままにいる。


もはや、現代文明から活字は消えた
なら、いまあるのは、フォントであって、活字ではない。
今、だれも、活字を拾ったり、並べたりはしない。